Blog ドイツ式入れ歯(コーヌスクローネ義歯・テレスコープ義歯)による治療例
今回ご紹介するのは、ドイツ式入れ歯とも呼ばれる「コーヌスクローネ義歯(テレスコープ義歯)」です。
患者様は75歳の男性で、歯科医院で治療を受けられるのは約20年ぶりとのことでした。
長年使用されていた部分入れ歯は、支えとなっていた歯の歯周病が進行したことで安定性が失われ、歯が大きく揺れて今にも抜けてしまいそうな状態でした。


このような場合、どのような治療を選択するのでしょうか
残っている歯はあるものの、多くの歯がグラグラしており、歯茎が下がって骨の支えも少なくなっていました。
この状態で通常の部分入れ歯を作り、留め具(クラスプ)を弱った歯にかけてしまうと、その歯に大きな負担がかかり、さらに寿命を縮めてしまう可能性があります。
かといって、まだ残せる歯をすべて抜いて総入れ歯にするのも、もったいないように感じました。
そこで選択したのが、コーヌスクローネ義歯(テレスコープ義歯)です。
コーヌスクローネ義歯とは
まず、残せる歯の神経治療を行い、歯冠部分をできるだけ小さく整えます。
その上に「内冠」と呼ばれる金属の冠を装着します。
そして入れ歯の中には、その内冠にぴったり適合する「外冠」を組み込みます。
内冠と外冠が重なり合うことで、入れ歯が安定して維持される仕組みです。


専門歯科技工士との細かな調整が重要
この入れ歯は、内冠と外冠の適合が非常に重要です。
きつすぎると入れ歯が外れにくくなり、外す際に残っている歯へ大きな負担がかかってしまいます。
反対に緩すぎると、入れ歯が安定しません。
そのため当院では、専門の技工士に来院していただき、実際のお口の中で何度も確認しながら調整を行っています。
「きつすぎず、緩すぎず」という絶妙なバランスを追求することで、快適に長く使用できる入れ歯になります。
見た目にもこだわっています
総入れ歯の形態を取り入れることで、残っている歯の位置や形に大きく左右されることなく、理想的な位置に人工歯を配置できます。
そのため、機能面だけでなく見た目も自然で美しく仕上げることが可能です。
実際に完成後のお口元の写真をご覧いただくと、とても自然で若々しい印象に仕上がっています。
完成前には仮の歯を並べた状態で写真撮影を行い、患者様と確認しながら、専門技工士と細かなディスカッションを重ねています。
こうした工程を丁寧に行うことで、最終的な仕上がりの美しさにつながります。



長く使い続けるための工夫
この入れ歯は、将来的な変化にも対応できるよう設計されています。
万が一、支えとなっている歯が将来抜歯になった場合でも、多くのケースで修理による対応が可能です。
そのため、新しい入れ歯を一から作り直さなくても済むことがあります。
また、人工歯がすり減ってきた場合も、歯の交換や修理が可能です。
長期的なメンテナンス性を考慮した設計になっているため、大掛かりな再治療を避けられる可能性があります。
入れ歯のお手入れも大切です
どんなに良い入れ歯でも、お手入れが不十分だと長持ちしません。
特にコーヌスクローネ義歯は、内冠の周囲に汚れがたまりやすいため、毎日の清掃が重要になります。
一般的な大きな入れ歯ブラシだけでは細かな部分の汚れを十分に落とせません。
そのため、当院では専用の小さなブラシを使用した清掃方法をご説明しています。
適切なお手入れと定期的なメンテナンスを続けることで、入れ歯も残っている歯も長持ちさせることができます。
まとめ
コーヌスクローネ義歯(テレスコープ義歯)は、
- 残せる歯を有効活用できる
- 見た目を自然に仕上げられる
- 将来の修理や調整に対応しやすい
- 長期的に使いやすい
といった大きなメリットがあいます。
「歯がグラグラしているから、もう総入れ歯しかないかもしれない」
そのように思われている方でも、残せる歯を活かせる可能性があります。
気になる方はお気軽にご相談ください。
詳細
| 年代・性別 | 70代・男性 |
| 治療期間 | 約1年半 |
| 治療費用 | 約250万 |
| リスク・副作用 | 残っている歯の状態や噛み合わせによって適応を慎重に判断する必要があります。長く快適に使用するためには定期的なメンテナンスが重要です。 |
監修者情

歯科医師(院長) 中田 佑
2011年 愛知学院大学歯学部卒業
2023年 TASK歯科・矯正歯科開業
人生100年時代において、生涯に渡りしっかりと自分の歯で噛んで食事をしていただけるように、適切なアドバイスやサポートをさせていただいています。研鑽を積み、培ってきた知識と治療技術を活かし皆様に貢献していきたいと思っております。
