「できるだけ歯を抜かずに残したい」
「インプラントはできれば避けたい」
そのように考える患者さんは年々増えています。

今回は、重度の炎症と歯周病を伴う難症例でしたが、精密な根管治療と適切な判断により、歯を抜かずに残すことに成功したケースをご紹介します。

“歯を残す治療”を検討されている方にとって参考になる内容です。

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症例：60代女性 左上奥歯の腫れと痛み

患者さんは、左上の奥歯の激しい腫れと痛みを主訴に来院されました。
歯ぐきから膿が出る状態で、一般的には抜歯やインプラント治療を勧められやすいケースです。

しかし患者さんは
「どうしてもインプラントではなく、自分の歯を残したい」
という強い希望をお持ちでした。

当院では感染対策をし拡大視野下で行う精密根管治療を行っているため、歯を残せる可能性を説明し、治療に同意いただきました。

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まずは徹底した精密根管治療から開始

治療は次のステップで進めました。
1.仮歯の作製／歯の保護
2.虫歯と古い土台の除去・歯の補強処置
3.精密根管治療（マイクロスコープ使用）
4.新しい土台（支台築造）の作製

ここまでは通常の根管治療の流れです。
しかし、これだけでは問題は解決しませんでした。

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根管治療後も膿が…原因は「エンド・ペリオ病変」

根管治療を丁寧に行っても、歯ぐきから膿が出続けていました。
検査の結果、
•内側の根の周囲に深い歯周ポケット
•分岐部に細菌が侵入
•根の感染（根尖病変）＋歯周病の併発（エンド・ペリオ病変）

という複雑な状態でした。
通常、このような場合は抜歯 → インプラントが一般的な流れです。
しかし、歯周病は3本ある根のうち1本に限局していました。

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そこで選択したのが「歯根分割(トライセクション)」

問題の1本の根だけを取り除き、残りの根で歯を支える方法です。
これにより、抜歯を回避し、歯を残せる可能性が大きく高まりました。

患者さんは不安を感じていましたが、
•同様の症例で長期的に良好な経過があること
•インプラントに頼らず歯を残せる治療であること
を丁寧に説明し、納得いただいて処置を行いました。

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経過は良好→被せ物を装着

歯根分割後は腫れも膿も消失し、歯周状態も安定しました。
3ヶ月間経過を見て問題ないことを確認した上で、最終的な被せ物を装着しました。

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術後2年 経過良好

現在も定期的にメンテナンスに通っていただいていますが、
治療開始から約2年、痛みや腫れなどは一切なく良好に機能しています。

患者さんは
「抜かずに済んで本当に良かった」
と大変喜ばれています。

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歯を残したい方へ

インプラントが悪い治療というわけではありません。
しかし、「抜歯」と診断された歯でも、精密根管治療や適切な外科処置によって残せる可能性がある場合は少なくありません。

当院は
•根管治療で歯を残したい
•インプラントを避けたい
•なるべく自分の歯を長く使いたい

という方の“最後の砦”でありたいと考えています。
歯を残す治療に興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。

監修者情報

歯科医師(院長) 中田　佑

2011年　愛知学院大学歯学部卒業
2023年　TASK歯科・矯正歯科開業
人生100年時代において、生涯に渡りしっかりと自分の歯で噛んで食事をしていただけるように、適切なアドバイスやサポートをさせていただいています。研鑽を積み、培ってきた知識と治療技術を活かし皆様に貢献していきたいと思っております。